68歳 男性
高血圧症、慢性心不全、僧帽弁閉鎖不全症(中等度)で近医に通院している。1週間より倦怠感と38℃台の発熱を認め、7日前に右肩関節痛が出現した。2日前には右肩関節が腫脹し、右膝関節にも疼痛が出現したため受診した。意識レベルはJCS I-1、体温 38.2℃、血圧100/62 mmHg、脈拍90回/分、呼吸回数24回/分、SpO₂ 95%(室内気)であった。右肩関節は熱感と著明な圧痛を伴い、関節の超音波検査で液体貯留を認めた。
本症例への対応として誤っているものはどれか。
1.血液培養を採取し、心臓超音波検査を行う
2.解熱鎮痛薬を処方して経過観察する
3.関節穿刺を行う
4.頭部MRIを撮影する
解答:2
解説
本症例は基礎となる心疾患のある高齢男性の発熱である。急性の単関節炎で発症し、関節炎の部位が広がっていることから、化膿性関節炎から血流感染を来しており、弁膜症があることから感染性心内膜炎が強く疑われる。血液と関節液の培養は必要で、感染性心内膜炎の診断(診断基準項目を確認する)のために、心臓超音波検査と頭部MRIが必要である。このように血流感染、感染性心内膜炎が疑われる症例に対して対症療法のみで経過観察をすることは適切ではない。
出題者 多胡 雅毅(佐賀大学医学部附属病院総合診療部)
出題範囲 部位別(心血管系)