32歳の女性。排便時にひも状の排泄物を認めた。ふらつきの訴えがある。発熱はなく、腹痛、嘔気等の腹部症状の訴えはない。3ヵ月前にインドに渡航歴がある。また5ヵ月前にマス寿司の摂食歴がある。

優先度の低い検査はどれか?
1.便の虫卵検査
2.虫体の顕微鏡検査
3.大腸内視鏡
4.血算
解答:3
解説
日本海裂頭条虫の症例である。海外の渡航歴があり、鑑別として有鉤条虫、無鉤条虫がある。特に有鉤条虫は脳に嚢虫症を起こし痙攣等を起こすことがあり注意が必要である。日本海裂頭条虫と有鉤条虫は虫体、卵の形態が異なるため顕微鏡検査で鑑別が可能である。条虫症は必ずしも便検査で虫卵が見えるわけではないが、鑑別に繋がるし、非侵襲的であるため確認しておきたい。頻度は低いが日本海裂頭条虫はビタミンB12欠乏による貧血を来すことがある。ふらつきの症状もあり、貧血の有無の評価のため血算は確認しておきたい。条虫症に対して大腸内視鏡は不要である。
出題者 森博威
出題範囲 寄生虫